私は学生時代、登山に明け暮れていた。
現在の仕事も経営も、登山をしているような感覚でいる。
そういう意識があるので、人一倍若いつもりでいる。
60才を過ぎて一段落ついたら、ヒマラヤにトレッキングに行きたいとひそかに思っている。一応、生涯青春を自負しているつもりである。
しかし、世の中上には上がいる。
日本画家の堀文子さんをテレビ番組で拝見してそう思った。
70歳を過ぎて見ず知らずのイタリアに単身移住する。
77歳になって南米アマゾン、アンデスに一人旅をする。
82歳になってなんとヒマラヤ5000メートルの高地に行く。
4000メートル以上にしか生息しないといわれる高山植物、ブルーポピーを見るためだという。
その絵が「孤絶の花 プルーポピー」(2007)である。
http://www.g-call.com/about_point/cp/hori/02.php
“きれい”というより極限の環境で生きる生命の近寄りがたさを感じさせる。
そういうものに80歳を過ぎても向かっている生涯青春の心根に感服した。
「なぜ旅をするか?」の質問に彼女答えて曰く、
「同じところにいると馴れ馴れしくなるから、嫌になって脱走するわけ」。
日々、いのち新たに 〜日本画家・堀文子 89歳の鮮烈〜|新日曜美術館
http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2007/0916/index.html
「同じところに安住せず、求めるところを求めて彷徨う」ことは生涯青春のひとつの条件かも知れないと思った。